インプラント
インプラントとは、何らかの理由によって失われてしまったご自身の歯の代わりに、歯科用インプラントを土台として人工の歯によって補う治療法です。口腔内の状態は個人によって異なるため、各個人の状態に沿った治療計画を立てて治療を進めていきます。
現在、日本では保険治療の適用になっていません。
インプラントの構造
- フィクスチャー(人口歯根)
- 顎の骨に直接埋め込みます。術後はインプラントと骨が強力に結合しますので、とれる心配はありません。
- アバットメント
- インプラントと上部構造を接続するパーツになります。かみ合わせの状態によって、角度を微調整します。
- クラウン(人工の歯)
- おもにセラミック素材のものを使用し、ほぼ自分の歯と同じぐらい自然に仕上げることができます。
インプラント治療の手順
- 口腔内診査・治療計画・精密検査
担当医によってインプラント治療に必要な診査を行います。ご自身の口腔内の状態やレントゲン写真を元に、まずインプラント治療が可能かどうか検討します。そして、可能であればその後詳細な治療計画を立てて実際の治療へと移行します。 - 術前処置
インプラント治療を行う前に、必要な口腔内環境を整えるための治療を行います。むし歯の処置や歯周病の治療などがあります。 - 歯科用インプラントの埋入手術
歯科用インプラント(人工歯根)を顎の骨に埋入する手術を行います。 - 治癒期間
基本的に歯科用インプラントは、骨としっかり結合されるまでの治癒期間が必要です。その治癒期間は、おおよそ下顎で3ヶ月、上顎では6ヶ月を必要とします。 - アパットメント(歯の土台)の取り付け
アバットメント(歯の土台)の取り付けを行います。状況に応じて簡単な手術が必要な場合もあります。 - 人工の歯の作製
歯科用インプラントの部分を含めた口腔内全体の印象採得(型取り)を行い、失われた歯の部分を作製していきます。作製後人工の歯をアバットメント(歯の土台)に装着して完成です。 - メンテナンス
歯科用インプラントを長期間安定して使い続けるためには、適切なホームケアと定期検診によるプロフェッショナルケアが不可欠です。担当医の指示に従い、適切なメンテナンスプログラムを実施して下さい。
インプラント治療を行うと
- 歯を1本失った場合
- 失った部分にインプラントを1本埋入します。
従来は、健全な両隣りの歯を削ってブリッジを用いて治療していましたが、インプラントを用いると健全な歯を傷つけることなく治療を行うことが出来ます。 - 歯を複数本失った場合
- 従来は局部的な入れ歯を用いて治療を行っていましたが、インプラントを何本か用いて治療を行います。
入れ歯を固定するための金属のバネによる違和感はもちろんありません。 - 歯を全て失った場合
- 従来の総入れ歯ではなくインプラントを用いて治療します。
この方法なら食物が入れ歯と口腔粘膜の間に挟まったり、入れ歯が合わなくなるようなことはありません。